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お墓には、亡き人の生きた証を残すという面と、故人を偲ぶ供養と言う二つの理由があります。最近では散骨など、お骨を粉にして自然に還し、お墓を建てない方もいらっしゃいますが、実際に散骨された方の中には、後でお骨を遺しておくべきだったと後悔するケースも少なくないようです。
理由としては、散骨でお骨を自然に還してしまうと、故人を偲ぶ事が形を伴ってできないからという事があげられています。「手を合わせる場所」がない事、またはお骨が遺っていない事が、その場所に気持ちを伴わせることが出来ず、供養になっているのかどうか分からないと心の痛みとして残ってしまうというものです。
また、自分の生きた証を遺したい、死んでから子供の代に迷惑をかけたくないなどの理由から、生前に自分のお墓を建てる人(寿陵建立者)も増えてきています。これらには、死後に自分の居場所を確保したいという、人の自然な情も含まれているでしょう。