お墓について

Q. どうしてお墓は必要なの?
A.  お墓には、亡き人の生きた証を残すという面と、故人を偲ぶ供養と言う二つの理由があります。最近では散骨など、お骨を粉にして自然に還し、お墓を建てない方もいらっしゃいますが、実際に散骨された方の中には、後でお骨を遺しておくべきだったと後悔するケースも少なくないようです。
 理由としては、散骨でお骨を自然に還してしまうと、故人を偲ぶ事が形を伴ってできないからという事があげられています。「手を合わせる場所」がない事、またはお骨が遺っていない事が、その場所に気持ちを伴わせることが出来ず、供養になっているのかどうか分からないと心の痛みとして残ってしまうというものです。
 また、自分の生きた証を遺したい、死んでから子供の代に迷惑をかけたくないなどの理由から、生前に自分のお墓を建てる人(寿陵建立者)も増えてきています。これらには、死後に自分の居場所を確保したいという、人の自然な情も含まれているでしょう。

 どのような理由からだとしても、お墓が遺族の方、または子孫にとって必要なものとされてきたそこには、自分の代だけではなく、その先々の子孫や遺された人々の事を考え、明確な形で遺されてきた「お墓」と言った形の祖先の想いに繋がります。
 肉親の死を悼み、供養したいと思うのは自然な感情であり、その時に手を合わせる存在となるのがお墓と言えるでしょう。